小学校から大学、専門学校まで、人生の新たな門出に立った我が子のために「入学祝い」をくださった方々には、礼儀を尽くして内祝いを贈りたいものですね。ここでは、内祝いでついやってしまいがちなNG行動と、正しいマナーをご紹介します。
すぐに内祝いを贈るのはNG
入学祝いは、入学式の2~3週間前に贈るのが一般的なマナー。では、そのお礼となる入学内祝いはいつ贈ると良いのでしょうか?
目安となるタイミングは、入学式後1カ月以内とされています。なぜなら、入学内祝いは無事に入学できたことの報告も兼ねた祝い事だからです。「早くお礼をしなきゃ!」と焦るあまり、入学式を待たずに内祝いを贈りたくなる気持ちも分かりますが、それでは「入学の報告」にはなりませんのでNGです。
入学祝いを頂いたら、まずはお電話でお礼を伝え、入学式が終わった後にお子さまと一緒に先方へ訪問して内祝いを贈りましょう。相手が遠方に住んでいて伺えない場合は、感謝を綴ったお礼状を添えて郵送すると喜ばれますよ。
もらったお祝いより高いものを贈るのはNG
入学内祝いの相場は、頂いた入学祝いの1/3~半額程度。親しい親族や友人にお祝いを頂くと、普段お世話になっている感謝から、頂いたよりも高い入学内祝いを贈ろうとしてしまう方もいるかもしれませんが、これはNGです。入学祝いには、純粋に入学を祝う気持ちはもちろん、お子さまの成長に対する喜びや、入学で何かと物入りになる家計への援助の気持ちも含まれています。そんな入学祝いに対して高額の入学内祝いを贈るということは、相手の優しさや気遣いを突き返すようなもの。入学祝いをありがたく頂いた上で、相場どおりの入学内祝いを贈るのがマナーです。
誰かに頼んで内祝いを渡すのはNG
友人に贈る内祝いを、共通の友人に届けてもらったり、祖父母に贈る内祝いを、近くに住んでいる叔父に届けてもらったり、贈る相手が多いとつい誰かに頼んで届けてもらいたくなりますが、これらの行為はもちろんNG!
本来「内祝い」には、自分の家のお祝い事を親しい方々と分かち合うという意味合いがあります。直接関係のない人を介して内祝いを渡すということは、暗に「共に分かち合わなくてもい」という気持ちを伝えているのと同じことになってしまいます。できる限り直接お会いして、顔を見ながら「ありがとう」を伝えたいものです。
包装しないのはNG
内祝いは、気軽にやり取りをするギフトではなく、日本で古くから行われてきた慣習です。どんなに親しい相手に贈る場合でも、包装をしないのはNG。形式を重んじてきちんと包装し、さらにのしを付けることで感謝の気持ちを伝えてください。
ちなみに、のしには、贈り物に直接掛けてその上から包装する「内のし」と、包装紙の上から掛ける「外のし」があります。自身の慶事を祝う内祝いの場合は、外側からのしが見えない「内のし」で、控えめに贈りましょう。
たったひとつのNG行為が、せっかく我が子の入学を祝ってくれたどなたかを不快にさせてしまうかもしれません。いつまでも素敵な関係を築けるよう、上記を参考にしてマナーを守り、お世話になった方へ入学内祝いを贈りましょう。