現在は授かり婚をする人も増えてきています。4組に1組は、授かり婚だという統計結果もあり、もはやひとつの結婚の形態であるとさえいえます。
ただ、この際に迷うのが「お祝い」です。出産祝いと結婚祝いは一緒に贈ってもよいものかどうかを悩んでいる人に、その回答をお教えします。
出産祝いと結婚祝いは同時に渡すのは問題ない?
「出産祝いと結婚祝いを一緒に贈ってもよいかどうか」を考える前に、まずは「そもそも出産祝いや結婚祝いというのはどういうものか」について復習しましょう。
結婚祝いはその名前の通り、結婚をお祝いして贈るものです。これからの新生活に使うものをお贈りするのが基本です。結婚式の1~2カ月ほど前に贈るのが通例であり、家に伺ってお渡しするのが正式なマナーです。できれば、大安の日に伺うとさらに良いと言われています。
対して、出産祝いは「赤ちゃんが誕生した後に」贈るものです。たとえ妊娠後期であっても、悲しいことではありますが、「絶対無事に生まれる」とはいい切れないからです。赤ちゃんもママも無事で、かつ退院した後に贈るのが正式です。
このように、2つの間には明確な違いがあります。そのため、一緒に贈ってよいものかどうかは「赤ちゃんがすでに生まれているかどうか」によって左右されるのです。
シチュエーション別お祝いの贈り方
それでは、どのような場合であれば、出産祝いと結婚祝いを同時に渡してもよいのでしょうか?
授かり婚・おめでた婚ではあるが、まだ子どもが生まれていない場合
上でも述べた通り、出産祝いは赤ちゃんが生まれてから贈るものです。そのため授かり婚であっても、赤ちゃんがまだ生まれていないという場合は、まとめて贈るのはマナー違反とされています。出産祝いと結婚祝いを贈る時期を分けましょう。
ただ、「新郎新婦が特にと希望している」「結婚から出産予定日までが極めて近い」など受け取る相手が喜んでくれる状況であれば、まとめて贈っても失礼にはならないと言われています。
授かり婚・おめでた婚かつ、子どもが生まれている場合
「授かり婚で、すでに子どもが生まれている」という場合は、一緒に贈ってしまって問題はありません。出産祝いを産後に贈るのは、子どもやママに万が一のことがあった場合を考えてのことですから、すでに出産が終わっているというのであれば、まとめてお祝いをしても構わないのです。
ただ、「まとめて贈る」と言っても、「一つのお祝いしかしない」というわけではありません。出産祝いと結婚祝いはあくまで別のものですから、それぞれ別々に熨斗を付けて、プレゼントも選び分けて贈るのが一般的です。もちろん新郎新婦側からのリクエストがあった場合は、その限りではありません。
結婚祝いの相場感・のし
結婚祝いとして贈るプレゼントは、タオルや写真立てなどが良いでしょう。昔は「割れ物」として嫌われていた陶磁器の食器類を結婚祝いのプレゼントに贈るケースも増えてきました。ただし、鏡(「割れる」)や包丁(「切れる」)は、先方の希望でない限り避けたほうがよさそうです。
結婚祝いは、「一度しかないもの」に対して使う「結び切り」ののしを掛けてお贈りします。
結婚式に出席してご祝儀を渡した場合、ご祝儀とは別に結婚祝いのプレゼントを贈る必要はありません。しかし、もちろん両方渡したい場合は、プレゼントを贈ってもマナー違反にはなりません。その場合の金額の相場は、新郎新婦との関係にもよりますが、ご祝儀を渡したことを考えると、5,000円~1万円程度が一般的です。兄弟、親戚、友人に結婚祝いを贈る場合の金額の相場感は、以下を参考にしてください。
新郎新婦との関係
- 年上の親族… 1万円~2万円
- 年下の親族… 5,000円~1万円
- 式に出席する友人… 5,000円~1万円
- 式に出席しない会社同僚や友人… 3,000円~5,000円(連名で贈る場合もあり)
お祝いのプレゼントは荷物にならないよう結婚式では渡さず、新居へ配送するようにします。
出産祝いの相場感・熨斗
出産祝いには、赤ちゃん用品やおもちゃなどを贈ると喜ばれるでしょう。またはママ用のアイテムを贈って、子育てに頑張るママを労うのも良いですね。ベビー服は人気の高いプレゼントですが、サイズがあるので注意が必要です。無駄にならないように大きめサイズの服を贈るなら、それを着る頃は暑いか寒いかを考えて素材やデザインを選びます。そのほかでは消耗品のおむつ、スタイ(よだれかけ)、赤ちゃん向けの絵本なども、もらって嬉しいプレゼントです。
熨斗は「蝶結び」です。これは「何度繰り返しても良いもの」に対して付けられるものです。出産祝いの相場は5,000円~1万円といったところです。結婚祝いと出産祝いの熨斗は違うので、間違えないように注意が必要です。
兄弟、親戚、友人に出産祝いを贈る場合の金額の相場感は、赤ちゃんとの関係や贈る側の年齢・収入の有無などによって異なります。以下を参考にしてください。
赤ちゃんとの関係
- 祖父母… 1万円~5万円(ベビーカーなどプレゼントの実額を出す場合もあり)
- 伯父・伯母(両親の兄・姉)… 1万円~3万円
- 叔父・叔母(両親の弟・妹)… 5,000円~1万円
- 近しい友人… 5,000円~1万円
- 会社同僚や友人・知人… 3,000円~5,000円
昔はあまり見られなかった授かり婚ですから、贈る人は悩むことも多いでしょう。「お祝いの気持ちをちゃんと伝えたい」ということであれば、上記のマナーに気をつけて選んでみてはいかがでしょうか。