出産祝いを早く届けたいので、入院中の病院に伺う――このようなことはマナーから外れてはいないのでしょうか?
少しでも早くお祝いに駆けつけたい、という人もいるかもしれませんが、「出産祝いを入院中の病院に持っていくのはよいのか」をまずは知りましょう。また、病院に行ってもよい人やシチュエーションについてもお話しします。
入院先の病院で出産祝いをおこなっても良い?
入院中の病院に伺って出産のお祝いをして良いのは、基本的には家族のみだとされています。
産後すぐのときは恰好に気を配る余裕がありませんし、体力も回復していないというのがその理由です。
昔は「お七夜」という考えがありました。医学が今ほど発達していない昔は、新生児の死亡率が非常に高かったのです。1週間と生きていられずに亡くなってしまう赤ちゃんも大勢いました。そのため、「1週間生き延びることができたお祝い」として、お七夜を祝う風習ができたのです。このお七夜のタイミングで赤ちゃんがお披露目されたと言いますから、この風習にのっとって、7日までは家族以外の人は遠慮したほうが良いでしょう。
ちなみに、生まれたその日は「初夜」と言い、3日目と5日目も「三夜」「五夜」と呼んでいたという歴史もあります。
現在では「気にしない」「産後すぐではなく、3日程度あけてくれればいい」「終わり頃に来てくれるのならそれでいい」「むしろ、入院中にだれも来てくれないほうが寂しい」という意見もあります。ただ、妊婦さんの方から「ぜひに」と言われたり、遠方に住んでおりどうしてもその日にしか都合がつかなかったりする以外のケースで病院へ行くのは、やはり避けたほうが無難でしょう。
出産直後は赤ちゃんもママも体調が安定していないので、容体が急変することがあります。「病院へは来てほしいけれど今日は急に調子が悪くなってしまった」という場合もあるので、病院へ赤ちゃんの顔を見に来てほしいと言われていたら、事前に一度母子の状態を確認し、直前にメールなどで「お見舞いに行っても大丈夫?」と再確認してから伺うようにしましょう。
入院中に出産祝いをする場合、いつ頃伺えばいい?
産後の入院日数は、初産かつ通常分娩だった場合で6~7日が一般的です。出産祝いは、ママの体調が落ち着く頃を見計らって行きましょう。産後3日は出産の疲れが残り、後陣痛も強いので面会は避けるのが無難。4日目~退院までの間で、ママの都合を優先して日を選びます。伺う前に授乳や診察など病院のスケジュールを確認し、ゆっくりできる時間に訪れます。
2人目以降のママは退院日が早まる場合もあるので、事前に確認してから訪れましょう。
出産祝いのために入院中に面会へ行くときのポイント
ママの方から「ぜひ来てほしい」と要請があったり、どうしてもその日しか都合がつかなかったりして入院中の病院にお邪魔することになった場合は、きちんとマナーを知り、守った上で伺いましょう。
大勢で押しかけない
まず、大勢で押しかけることは控えるべきです。友達同士が大勢で押しかけるとどうしても騒がしくなってしまいますし、周りにも迷惑です。少人数で訪問するようにしましょう。特に、子どもや男性と連れ立っていくのは控えるべきです。子どもはどうしても騒がしくしてしまいがちですし、男性がいるとママも気を遣います。
長居しない・授乳時間に配慮
「時間」にも配慮してください。赤ちゃんには授乳の時間が必要ですし、ママの体も回復しきっていません。そのため、30分以内で切り上げるのがマナーとされています。
手土産は持っていかない
手土産に関しては難しいところですが、基本的には持っていかないほうが良いと言われています。
お菓子などは糖分や糖質制限にひっかかることがあるからです。どうしても、ということなら、カフェインや糖分が入っていない飲み物をチョイスすると良いでしょう。また、退院時に持ち帰る荷物が増えるのも、相手の負担を増やすことになります。出産祝いは、退院後に会って渡すか、自宅へ配送するのがおすすめです。配送では気持ちが伝わらないのでは、と心配な方はお祝いの言葉を書いたメッセージカードを添えると良いでしょう。
風邪や外の菌移さないように配慮
出産をしたばかりの体は、とても敏感です。風邪などが非常にうつりやすいため、少しでも体調に不安があるのなら行かないようにしてください。また、病室に入る場合は必ず手洗いをします。赤ちゃんを抱っこするときは、必ずママから許可を取ってください。
ママに労いの言葉をかける
出産は、女性の身体にとって大変な負担で、一説には交通事故レベルの身体ダメージを受けるとも言われています。その出産を乗り越えたのですから、赤ちゃんの誕生を祝うとともに、きちんとママに労いの言葉をかけてあげましょう。
入院中の病院にお祝いに行ってよいのは、基本的には家族だけです。ただどうしても、ということであれば、滞在時間や人数、手土産に配慮をして訪問しましょう。入院中のママの体に負担がかからないようにしたいものですね。