香典返しは「半返し」が基本？ お返しする金額の相場感について

香典返しをする際に、よく耳にする「半返し」。これは、香典返しの相場を表す言葉と言われています。今回は、「半返し」の意味と、場合に応じた香典返しの相場について、ご紹介していきたいと思います。

香典返しの相場はどれくらい？ 「半返し」とは？

半返しとは、頂いたお香典の大体１/３から半分の金額の品物を贈ることを言います。この半返しが、一般的な香典返しの相場と言われています。親族で高額のお香典をくださる方もいると思いますが、この場合は、相互扶助の意味でくださっていると考えられますので、必ずしも半返しにとらわれなくても大丈夫です。

とはいえ、世間のマナーとして、失礼のないようにしたいもの。香典返しの上限についても、把握しておきましょう。

香典返しの上限は、頂いたお香典を３万円としたときに半返しとなる１万５千円を上限とするのが、相場となっています。それ以上のお香典を頂いた場合でも、１万５千円の香典返しで失礼にあたることはありません。香典返しは、お礼の意味を表した贈り物なので、気持ちを込めて品物を選びましょう。

ただ、不幸に関することなので、贈る品として避けたいものもあります。例えば、後々まで形として残るもの、肉や魚などの生ものは、香典返しには不向きとされています。慶事につながるお酒や鰹節、昆布も、ふさわしくありません。また、金額がはっきりと分かる商品券や金券、現金も不向きとされています。

具体的な香典返しの目安

基本的には、頂いたお香典の半額にあたる「半返し」を目安にすれば、不都合はありません。葬儀の当日に香典返しをお渡しする「当日返し」も一般的になっていますが、用意した品が、頂いたお香典の半額を満たせば、その後のお返しは必要ありません。

ただ、亡くなったのが一家の収入を支えていた方であった場合、その後の生活を考えると、できるだけ支出を押さえたいという事情が発生することも……。そういった場合は半返しよりも金額を押さえ、１/３程度の香典返しをお渡しすることもあります。金額はあくまでも目安と考えておきましょう。
高額な香典を頂いた場合は、先ほどご紹介したとおり１万５千円を上限として対応するようにします。

当日返し（即日返し）とは？

香典返しをお渡しする時期は、地域によっても異なりますが、関東地域では、四十九日を過ぎた、忌明けが通例のようです。一方で当日返し（即日返し）とは、一部地域や、親族が集まる機会が減った昨今、お通夜や葬儀の当日に感謝の気持ちを込めて、香典返しを直接渡すことを言います。

当日返しの場合の相場

忌明けに香典返しをする場合は、頂いたお香典の金額の半返しを基準に品物を選べばよいですが、当日返しは、事前に香典返しの品物を選んでおかなければいけません。その場合、頂くお香典の金額は分からないため、半返しとはいきません。このため、当日返しの相場は、大体2,000円から3,000円程度とされています。

当日返しで高額なお香典を頂いた場合

当日返しをしたものの、弔問客の中には、高額のお香典をくださる方もいると思います。その場合は、四十九日を過ぎた忌明けに、あらためて、お礼の品として、当日返しの金額と頂いたお香典の半分の金額を差し引いた、大体の金額の品物を贈るとよいでしょう。

場合に応じた香典返し

お香典は決まって、お一人ずつから頂くというわけではありません。また、弔問客の方の中には、立場や故人との関係性が異なる方がたくさんいらっしゃいます。そのさまざまな場合に応じて、香典返しの金額を考えましょう。

会社名義でお香典を頂いた場合のお返しの相場

勤め先の会社などから、会社名義でお香典を頂くことがあります。この場合は、大抵は会社の経費でお香典をくださっているため、あらためて香典返しをする必要はありません。ただ、役職者の方の名義で頂いているお香典に関しては、個人として頂いたものと考え香典返しを贈りましょう。

連名でお香典を頂いた場合のお返しの相場

知人などから連名でお香典を頂いた場合は、お１人あたり2,000円か、それ以下のことがほとんどです。この場合、半返しにすると、1,000円程度の品物となってしまいます。そのため、菓子折りなど、小分けのお菓子などを香典返しの品物として贈るか、親しい友人の場合であれば、直接お返しの品物を渡してもよいかもしれません。

香典返しの辞退された場合の対応方法

お香典をくださる方の中には、香典返しを辞退される方も少なくありません。これは、ご職業が理由の場合もあれば、ご遺族への配慮という場合もあります。この場合は、お礼のお手紙を送り、お中元やお歳暮など、別の機会にきちんと贈るのがよいでしょう。

香典返しは、香典を頂いた相手に対して、今後も良好な関係を築くことができるように、感謝の気持ちを込めた贈り物です。ただ、そこにはしっかりとお金が関わってきますので、さまざまな場合に備えて、どのような形で香典返しをするとよいか、しっかりと理解を深めておきましょう。