どうすればいい？ コロナ禍での香典返しの方法

近年、身内だけで執り行なう家族葬が注目されるようになりましたが、感染症拡大の影響でオンライン法要も広がりをみせています。しかし、葬儀には参列できなくても「香典だけは届けたい」という方も多く、実際に香典がたくさん郵送されてくることも多いようです。香典を頂いたら通常は香典返しをお渡ししますが、コロナ禍においてはどのように対処するのが望ましいのでしょうか。この記事で、コロナ禍での香典返しについて説明します。

コロナ禍での香典はどう受け取る？

はじめに、葬儀があることを知った友人・知人から「香典を渡したい」と連絡が来たときにどう対応するかについて確認しておきましょう。

直接会うことができるなら、言うまでもなくそれが一番なのですが、コロナ禍においては、やはりお互いに気を遣ってしまうもの。感染のリスクを減らすためにも、対面ではないかたちでやり取りをするのが望ましいと言えます。

その方法として考えられるのは、大きく２パターン。

一つは、現金書留で送っていただく方法です。普通郵便や宅配サービスでは現金を送ることはできません。郵便局で現金書留用の封筒を入手し、その封筒を使って送ってもらうことをお願いしてみましょう。

もう一つの方法は、キャッシュレス決済です。これは、施主がオンライン法要サービスを利用し、なおかつ、そのサービスがオンラインで香典の受付を実施している場合でないとできない方法です。ただ、サービスを利用すれば葬儀の様子を配信してもらうこともできるので、検討してみるとよいでしょう。オンラインショッピングなど、オンライン決済に慣れている方にとっては、現金書留で送るよりは手間のかからない方法だと言えます。

コロナ禍でも香典返しは必要？

コロナ禍であってもなくても、香典を贈ってくださった方にとって、故人を思う気持ちに変わりはありません。その気持ちに感謝の意を表すことも変わらないはず。現金書留であれ、オンライン決済であれ、香典を頂いたら名簿をきちんと作成し、香典返しの準備を進めていきましょう。

コロナ禍での香典返しはどう贈ればいい？

コロナ禍においては、郵送、もしくは宅配などの配送で香典返しをお贈りしてください。その際「コロナ禍なので郵送（配送）します」という旨を記したメッセージも一緒に添えると、こちらの配慮も伝わるはずです。メッセージの書き方については、この後に文例をご紹介しますので、参考にしてください。

香典返しの金額も気になるところですが、コロナ禍であるなしに関係なく、目安は頂いた香典の１/３～半額程度です。とはいえ、何が何でもこの金額にしなければならないというわけではありません。香典をたくさん包んでいただいた場合、それに合わせて高額な香典返しを用意する必要はありません。香典の金額が３万円を超えた場合は、１/４程度の金額でも失礼にはあたりませんので、覚えておきましょう。

香典の品としては、後に残らない、いわゆる「消え物」を届けるのが一般的なマナーとされています。「不祝儀は後に残さないように」という考え方が根底にあってのことですが、それにならって、お菓子やお茶のような食品、石けんやタオルなどの消耗品を選べば間違いありません。なお食品であっても、肉や魚、お酒は不祝儀にはふさわしくないので、選ばないようにしましょう。

コロナ禍で香典返しをする際に添えるメッセージの例

それでは、コロナ禍での香典返しに添えるメッセージをふたつご紹介します。なお、不祝儀の文面には句読点を打たないことがマナーとされてきました。近年では「気にしない」という方も増えているようですが、文例は句読点なしとしています。

文例１

謹啓　父〇〇儀　葬儀に際しまして
丁寧なご芳志をいただき
誠にありがとうございました

新型コロナウイルス感染拡大という状況もあり
家族のみで無事に葬儀を執り行いましたことを
ご報告させていただきます

つきましては心ばかりではございますが
お礼の品をお送りしますので
ご受納いただけますようお願い申し上げます

本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところと存じますが
時勢を鑑みて書中にて失礼させていただくことを
ご容赦くださいませ

敬白

文例２

謹啓　先般は　亡父〇〇の三回忌法要につきまして
ご丁寧なご厚志を賜り
心より御礼申し上げます

〇月〇日に法要を営む予定としておりましたが
新型コロナウイルス感染拡大の状況を考慮し
やむを得ず中止といたしましたことを
ご報告申し上げます

つきましてはささやかではございますが
供養の品をお届けいたしますので
どうぞお納めくださいますようお願い申し上げます

またこのような社会状況を考慮し
略儀ながら書面にてのご挨拶とさせていただきます

敬白

コロナ禍で葬儀や法要を営み、香典を頂いたときには、通常と同じように香典返しをお贈りしましょう。ただし、対面ではなく郵送でお渡しするなどの配慮が必要です。その際、「このような状況なので郵送にて失礼いたします」という趣旨のメッセージを添えると丁寧ですし、こちらの気持ちも伝わりやすくなります。香典返しを用意する際は、ぜひ参考にしてください。