故人が亡くなって以降、遺族が故人を偲ぶ法要を定期的に行う風習があります。一周忌もその法要のひとつで、その際には引出物をお渡しすることが一般的です。不祝儀にふさわしくないとされるものもあるので、引出物選びには注意が必要です。この記事では、引出物の相場や品物の選び方、渡し方について分かりやすく解説します。
一周忌法要の引出物とは
一周忌の法要は、故人が亡くなって1年が経った命日に行います。一般的には、僧侶の読経と焼香、お墓参りや遺族の挨拶をすませた後に「お斎(おとき)」と呼ばれる会食のお膳をふるまいます。これは、僧侶や参列してくださった方へのお礼の気持ちとともに、故人について語り合って故人を偲んでもらおうという場です。
そのほかに、法要に時間を割いてくださったことへの感謝として品物をお渡しします。この品物が、一周忌法要の引出物です。参列してくださった方は、「御仏前」「御供物料」などの名目で金品を包んでくださっているので、そのお返しの意味も兼ねています。
一周忌法要の引出物の渡し方
会食の席を設けた場合、引出物は、会食が終わる頃、もしくは参列してくださった方が帰るときにお渡しすることが多いようです。ただ、「このようにしなければならない」という決まりはなく、会食の席を回って一人ひとりに挨拶をしながらお渡ししても構いませんし、お帰りになるときにお渡ししても大丈夫です。人数が多い場合は、あらかじめ各席にセッティングしておくこともあります。
会食しない方がいらっしゃる場合は、お帰りになるタイミングでお渡ししましょう。招待した人数と招待した方の予定を把握し、渡しそびれることのないようにすることが大切です。ホテルやレストランを利用する場合は、スタッフにも予定を伝えておくと安心です。
会食の席を用意していない場合は、参列者がお帰りなるときに、一人ひとりにご挨拶をしながらお渡ししましょう。折詰やお酒などを準備しているのであれば、これらの品と一緒にお渡しします。
なお、引出物に使用するのし(掛け紙をつけ)は、「志」もしくは「粗供養」と表書きをし、施主の名前を書き添えます。不祝儀では薄墨を使うものとされていますが、それは四十九日の法要までのこと。一周忌では濃い墨を使ってよいとされています。
水引は黒と白など、弔事用の結び切りのものを用いてください。
以上が一般的な引出物の渡し方ですが、地域の風習がある場合はそちらに従うようにします。
一周忌法要の引出物の相場
一周忌法要の引出物の相場は、「御仏前」や「御供物料」としていただいた額の1/2~1/3程度が目安です。「御仏前」「御供物料」の相場は故人との関係性にもよりますが、1万円前後を包む方が多いとされているので、引出物は3,000円~5,000円程度の品を選べば失礼にはあたりません。
もし多額の金品を頂いた場合には、別途お礼の品をお贈りするなどして対処しましょう。ただし、「御仏前」も「御供物料」は、相手の気持ちも含んだもの。よほど多額でない限り、引出物をお渡しすれば十分と考えて問題ないでしょう。
一周忌法要の引出物の選び方
さて、一周忌法要の引出物には、どのようなものを選ぶのが望ましいのでしょうか。法要に向いているものと向いていないものがあるので、その点を把握しておきましょう。
まず、法要に向いていないものとしては、グラスや食器などかたちが残ってしまうもの、肉や魚など生の食べ物が挙げられます。生の食べ物は殺生を連想させるため、不祝儀の場全般で不向きとされる品です。そうではなくても生鮮食品は日持ちがせず、安全面でも心配があります。
また、昆布やかつお節のように、お祝い事で渡されることの多い品も不祝儀の場には不向きです。色合いが派手なもの、持ち帰るのが大変なくらい大きいものや重たいものも選択肢からはずすことが気遣いといえます。
法要向きのものは、「消え物」と呼ばれる食べ物や日常的な消耗品です。飲み物なら、日本茶が定番ですが、紅茶やコーヒーも人気となっています。お菓子の場合は、個包装されているものだと食べやすくて便利です。洋菓子なら日持ちのする焼き菓子やチョコレート、和菓子なら羊かんや真空包装されたお饅頭などが人気を集めています。
日用品の洗濯洗剤や食器洗剤、石鹸などもよく選ばれています。そのほか、タオルやハンカチもおすすめの一品。家庭にいくつあっても困らず、使い道が多いこともポイントです。タオルやハンカチには「悲しみや不幸を拭い去る」という意味合いを込める地域もあるようです。
どの品物を選んで良いか分からず、なかなか決められないという場合はカタログギフトという選択もおすすめです。受け取った方に好きな品物を選んでもらえ、持ち帰りにもかさばりません。幅広い商品がラインナップされているので、年齢を問わず喜んでもらうことができます。
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一周忌法要の引出物に不向きとされる品物や人気の品物などをご紹介しました。一周忌を執り行う際には、僧侶や会場、会食の手配など決めなければならないことも多くあります。そのため、引出物選びに悩んでしまったときや時間がかけられないときには、カタログギフトがおすすめです。たくさんの品物が掲載されているので、受け取った方の欲しいものがきっとみつかります。