還暦祝いは60歳を迎える節目のお祝いで、長寿のお祝いとして親しまれてきました。一緒に食事会をするほか、記念になる品物を贈る場合も多く、何を選んだら良いか迷っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、還暦祝いの品を選ぶ際のポイントや注意点などについてご紹介いたします。
還暦祝いには赤いちゃんちゃんこを贈る?
還暦を迎えると、赤いちゃんちゃんこを着てお祝いという話を聞いたことがあるでしょうか。皆さんも干支(ね・うし・とら……)が12あることはご存知かと思いますが、これとは別に「甲・乙・丙・丁……」と呼ばれる十干があります。正確には十二支と十干を組み合わせて干支が形成されており、元の暦に戻るのは60年後ということになります。還暦祝いは「暦に還る」という意味になり、生まれた年に戻る=赤ちゃんに戻るということで、赤いちゃんちゃんこを着る風習が生まれたと言われています。
もともと還暦祝いは長寿を祝うものでしたが、現在では平均寿命も大きく伸び、60歳になっても定年退職せずバリバリ働いている人も多くいらっしゃいます。
そんな若い世代の人に赤いちゃんちゃんこを贈ると、「年寄り扱いされている」と違和感を持たれたり、失礼となってしまい喜ばれないケースもありますので、贈るかどうかは慎重に検討するようにしましょう。どうしても贈らなければいけないというものではありませんから、迷っている場合は別の品にしてしまうのもおすすめです。
贈り物のマナー
還暦祝いでは、食品などは避け、できるだけかたちに残るものを贈ったほうが記念になって喜ばれます。手軽で実用的な現金を考えることもあると思いますが、親族の場合には、みんなでお金を出し合って現金を贈るというのでも構いません。しかし、目上の人や仕事関係者などの場合には現金をそのまま贈ると失礼ととられる場合もあるため、現金は避けたほうが良いでしょう。金額に関しては4(死)や9(苦)を連想させるものはマナー違反とされていますので、4万円や9万円といった額は避けるようにしてください。
現金以外にギフト券を贈る方法もあります、商品券などが一般的ですが、夫婦で仲良く過ごしているのなら二人揃って旅行や食事に行ってもらう良い機会にもなりますから、旅行券や食事券などがおすすめです。本が好きなら図書券、お酒が好きであればビール券など、その方の趣味や趣向をご存知であれば、それらに関連したギフト券を贈っても良いでしょう。
このほか、還暦祝いは長寿のお祝いだからと言って、老眼鏡や補聴器、杖などは老いを感じさせてしまうため、還暦祝いには向きません。あえて本人から希望がない限り、還暦祝いとしては贈らないほうが良いでしょう。
どういったものを贈るのが良い?
還暦祝いでは、赤色のものが縁起が良いと言われています。赤いちゃんちゃんこでなくても、例えば、赤い色のマグカップやTシャツなどを選ぶという手もあります。女性の場合には赤のスカーフやエプロンなどでも良いでしょう。お酒が好きな方なら、生まれ年の赤ワインなども良いと思います。
しかし、赤色が好きではない方もいらっしゃいますので、あえて赤にこだわる必要はありません。還暦祝いは喜んでもらえるものが一番ですから、贈る相手の趣味に合ったものを選ぶようにしましょう。
現金やギフト券は失礼になってしまうし、だからと言ってどのような品を選べば良いか分からないという方は、カタログギフトを贈る方法もあります。予算から選ぶことができ、最近では食品や生活品、趣味のものまで多彩なラインナップが揃っています。相手に好きなものを選んでもらえますので、贈るものに迷ったらカタログギフトも検討してみてください。
還暦祝いに好ましくないもの
還暦祝いに贈るとマナー違反となってしまうものがあります。よくありがちな商品ですので、間違っても贈らないように注意してください。
お茶
お茶は香典返しなど、忌事などで使われる機会が多いため、還暦祝いの品には向きません。相手がお茶好きであっても、贈るのは避けておきましょう。
老眼鏡や杖など
還暦祝いにありがちな品物ですが、老眼鏡や杖は「老い」を連想させてしまうため、避けておいたほうが賢明です。
くし
くしは「苦」「死」を連想させてしまうため、贈るのはマナー違反になります。四や九が含まれるものも縁起がよくありませんので、避けるようにしてください。
時計
時計は「勤勉」をイメージするため、特に目上の人への贈り物としては避けるようにしましょう。しかし身内などには腕時計などを贈るケースもありますので、本人の希望を聞いてみましょう。
履物
履物は「相手を踏みつける」といった意味があるため、還暦お祝いの贈り物には適していません。新しいウォーキングシューズなど、贈り物には良さそうですが、失礼にあたるため注意してください。
還暦祝いでは「相手に喜んでもらうこと」が第一です。しかしながら一定のルールやマナーもあるため、良かれと思って贈ったものが、大変失礼にあたる場合もあるので注意しなければなりません。上記を参考に相手にぴったりな還暦祝いの品を贈ってみてください。